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埋没法(1)

重瞼手術の中でも、埋没法は難しい部類に入る手術だと思っています。

まぶたの構造は本当に一人ひとり様々で、皮膚の厚さも眼瞼挙筋腱膜の付着位置もまぶたごとに(ということは同じ人の左右でも)かなりの変化があります。初めて手術する患者さんのまぶたを、細い糸1、2本で思い通りの形に変化させる(それも術後の腫れや数か月後の完成形を予測して)のは、何度やっても難しいものだと思ってしまいます。

それでも、研修医の頃から眼瞼下垂の手術やその他のまぶたの手術を何百例と行なってきた経験があるから、実際に切ってみなくても内部の筋肉の走行や血管の様子などをある程度予測できるわけで、その経験なしにはとてもまともな手術はできないだろうなと思います。

重瞼手術を学ぶなら、まず最初に眼瞼下垂手術が一人でできるようになり、次に切開法に熟練し、埋没法はその後に学ぶべき術式だろうと思います。
ところが、最近では美容外科に就職した医師が最初にやらされるのが埋没法だなどという話も聞きます。そういうところでは、「術後の再診不要」などとホームページに書いてあったりします。
自分のやった手術の結果を、1週間、1ヶ月、3ヶ月、半年、1年と見ていかなければ、その医師の技術が向上するはずがありません。

埋没法は経験の浅い医師の練習台ではなく、もっと豊富な経験を積んだ医師が慎重に行うべき手術だと思います。糸だけでできるから、切らずに済むから簡単なわけではありません(これは他の手術も同じです)。見えない部分を想像し、手探りできちんと内部の処理を行なうためにはそれなりの経験が必要だということを、患者さんも理解していただきたいと思います。

埋没法をあまり簡単に考えないで下さい。

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