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眼瞼下垂症手術と私(8)

手術の数が増えてくると、必ずしも教科書的な手術では対応できない患者さんもそれなりに増えてきます。特に、過去に同様の手術を受けてうまくいかなかった人の再手術は難しいものです。

私自身は、城北病院・専売病院(現・東山武田病院)でたくさん手術を行うようになって、術式が大きく変わりました。
一つは、前にも書きましたが、寺島先生の後を引き継ぐことになって、これはいい加減なことはできないぞと、もう一度各種の手術法の文献を集めておさらいしたからでもあります。もう一つは、手術を重ねるうちに体得したコツのようなもの、他の先生方が執刀してうまくいっていない症例などを通して、「なぜ今までの術式ではうまくいかないことがあるのか」がだんだんつかめてきたからです。

現在は、私の手術はほぼ全例、帝京大学の久保田先生の術式に似た眼瞼挙筋短縮前転法で行っています。(但しいくつかの点で考え方の違いもあり、正確には今までいろいろな先生に教えていただいた方法のミックスともいえる術式になっています。)

結膜には意図的には穴を開けません(したがって、角膜保護板や挙筋クランプなどの特殊器具は一切使いません。)
横走靭帯は(再手術などですでに切断されている場合を除き)切断しません。ミュラー筋は切除しません(切断はします。)
先天性の場合を除き、結膜の剥離は約1センチ幅に留めています。
眼窩隔膜は眼瞼挙筋腱膜との折り返し点付近で切開しますが、脂肪の切除は原則として行いません。
筋膜断端と瞼板とは通常3箇所固定します。
皮膚切除はほぼ全例行います。
眼輪筋は切除する皮膚幅の半分程度切除します。
筋肉の短縮前転量は、後天性で挙筋の機能障害がない場合は8ミリと決めています。(6ミリ短縮2ミリ前転)

最近は術中・術後の点滴、テーピング、内服薬などの工夫によって、術後の腫れも極めて軽微にできるようになりました。テープは3日間貼っていただきますが、洗顔は翌日からしてもらっています。
抜糸は1週間後ですが、テープを外してしまうと何も貼らずに外出されてもさして奇異な感じはしない程度です。

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