« 眼瞼下垂症手術と私(8) | トップページ | 私はなぜマカーになったのか: Macintoshに出会うまで(1) »

眼瞼下垂症手術と私(9) 再手術

同じように見える手術でも、人により、まぶたの状態は実にさまざまです。特に再手術の場合は、(1回目の手術を他の術者が行っていた場合はなおさら)内部の瘢痕がどうなっているか、糸がどのあたりに固定されているか、など分からないことが多く難しいものです。

私は、原則的に、他の術者が行った手術の再手術はしないほうがよいと思いはじめました。
かつて症例も徐々に増えて、眼瞼下垂の手術が得意になってきた、と自信がついてきたころは、他の医者に失敗された、と悲壮な顔で診察に来る患者さんをみると、気の毒でもあり、自分ならこんな失敗はしないという思い上がりもあり、何とか救ってあげたいと再手術を気軽に引き受けていました。

しかし最近では、うまくいかないのにはうまくいかない理由があるのだと思うようになって来ました。
そもそも、眼瞼下垂の手術というのは、傷痕直しなどに比べると定型的で術式も何種類かに分類はされるものの、ある程度標準化されています。
少なくともこの手術を行っているとわざわざ広告するほどの医療機関であれば、同種の手術を数多く繰り返し行っているはずで、通常の技量を持つ医者ならとんでもないミスをするはずがないように思えます。

そうであれば、通常考えられないような結果に終わるのはなぜでしょうか。患者さんの体質や生活習慣や行動パターンの中に、医師があまり想像しないような、あらかじめ想定していないような原因が潜んでいるのではないでしょうか。

そうした原因は、初対面の短い診察時間の中では気づくことができず、術後の経過の中で初めて明らかになってくるのではないでしょうか。
それを単純に、最初の術者が下手であった、と思い込むのはとても危険なことです。むしろ、最初に手術を行った医師が、術後に何が起こったのかを考えて、思い当たる原因をできる限り排除した上で再度挑戦するほうがよい結果を生むのではないでしょうか。

そう考えて、再手術の相談に来られた患者さんには、できるだけ手を下した医師の下に帰るようにお話しすることにしています。お引き受けする場合にも、前のお医者さんから、どのような手術を行いどのような結果になったのかが分かるような紹介状をもらってくるようにお願いしています。

|

« 眼瞼下垂症手術と私(8) | トップページ | 私はなぜマカーになったのか: Macintoshに出会うまで(1) »

形成外科」カテゴリの記事